学生の声
佐藤日向子 精密機械工学専攻 博士前期課程1年(2022年度)
東京都立小石川中等教育学校出身
研究テーマ:微生物を模倣したマイクロゲルロボット
【学科の特色】高校時代に機械式時計に興味を持ち、精密機械工学科を選びました。この学科では、土台となる基礎的な講義のほか、授業で習ったことだけでは解決できない課題に取り組む演習授業も充実しています。こうした学びを通して身に付けた知識と技術を実践に活かし、さらに、足りないスキルをどう習得し実現するのかを主体的に学んでいける点が学科の大きな魅力です。もし、大学での研究分野とは異なる業界に就職したとしても、学科で得たものづくりの知識と経験は必ず活かせると思います。
【研究内容】私は微生物を模倣したマイクロロボットをテーマに研究をしています。1mm の100 分の1 ほどの大きさをもつロボットをハイドロゲルにより作製し、微生物の動き方を再現することを目標にしています。微生物の賢い動き方を用いることで、医療分野など幅広い応用先を持つマイクロスケールのロボットを実現できると考えています。現在は国内外の学会での発表に向け、さまざま微生物の動きを模倣したロボットを駆動する実験を行っています。
藤野 花音 精密機械工学専攻 博士前期課程2年(2020年度)
私立中央大学附属横浜高校(神奈川県)出身
視覚障がい者の動的環境認識支援のための人流情報の抽出と提示
【学科の特色】私は幼い頃から裁縫や工作等、ものづくりが好きで、中高時代には手芸部に所属して洋裁に取り組んでいました。洋裁の行程には、構想を練り、型紙を作り、材料を選定し、場合によっては試作を繰り返しながら製作していく必要があり、これは精密機械工学科でのものづくりと通じる部分があると考え、この学科を選びました。しかし“ ものづくり” といっても分野は多岐にわたるため、新しいものを作り、動かすためには広い知識と経験が必要となります。精密機械工学科では土台となる基礎的な講義はもちろん、授業で習ったことだけでは解決できないような課題に取り組む演習授業もあります。講義や演習授業を通して学んだことを実践するだけでなく、足りない知識や技術をどう身につけて実現するのかを主体的に学ぶことができるのがこの学科の魅力です。本学科では殆どの学生が技術系の職種に就職しますが、学生時代の研究とは異なる分野に就職することも多くあります。この学科で得たものづくりの知識、経験はどのような分野に進んでも活かせると思います。
【研究内容】私は視覚障がい者の歩行支援をテーマに研究をしています。この分野の既存研究として、主に障害物の提示やナビゲーションの研究がありますが、これらは単一の情報しか得られないため自立的な歩行に必要な環境情報の取得には不向きです。そこで私は周辺環境情報の一つとして人の流れに着目した研究を立ち上げました。人流情報の把握により、人の往来の流れに乗る、逆方向の流れを避けるといった自立的な行動決定が可能になると考えています。学部4 年からの2 年間では情報抽出・提示手法を確立しました。カメラ映像から得られた、人流の向き、混雑度、歩行者の移動方向のばらつきという要素から提示する情報を選定し、脛につけた複数の振動モータの位置や振動の強弱変化によって流れを提示します。現在はこれらの情報提示が行動決定に及ぼす影響の調査をしています。今までの成果は国内外の学会にて発表しました。学会発表は様々な分野の研究者と議論ができ、新たな着想を得る機会ともなっています。